ペルガモンの町にある教会に対してイエス様は「あなたはわたしの名をしっ かり守って、わたしに対する信仰を捨てなかった」と称賛しておられる一方で 「しかし、あなたに対して少しばかり言うべきことがある」と苦言も呈してお られます。この地上の教会には100%正しく欠点のない教会はありません。良 い部分もあれば、どこかしら問題も持っています。逆に自分たちの教会こそ完 全な教会だと思うならばそれこそ問題であるのです! この教会が持っていた課題は、教会の中に「偶像に献げた肉を食べさせ、み だらのことをさせよう」とするグループがいた点です。おそらく当時の異教の 神々のお祭りに参加したり、ローマ皇帝を拝むことを習俗として認めようとす る人たちであり、殉教者が出る状況下では、この世やローマ帝国と妥協して生 きる方が賢いと主張していたと考えられています。それに対してイエス様は 「悔い改めよ」と言われています。これはその一部の人たちだけに悔い改めを 迫っておられるのではありません、むしろ教会全体に対して、そのような状態 を見過ごしていることを「悔い改めよ」と言われているのです。厳しい言葉で すが、ただその後に続けてイエス様は「さもなければ、すぐにあなたのところ へ行って、わたしの口の剣でその者ともと戦おう」と言われています。ここも 間違ってはいけません。イエス様が自ら出向いて戦おうとしておられる相手は 教会全体ではなく、あくまで「彼ら=そのグループ」と戦うと言われているの です。イエス様ご自身が容赦されないと。私たちが勝手に間違っていると決め 付けて裁いたり、排除するのではないのです。イエス様が体全体を生かすため に「剣」を用いて外科手術のように私たちの悪い所を取り去られるのだと。そ の際、体全体に痛みが残ることは避けられないはずです。 説教集インデックスへ戻る