ここまでパウロは「心を合わせ、思いを一つに」して欲しいと教会員たちに奨め て来ました。すべての者が「イエスの御名にひざまずき、すべての舌が『イエス・ キリストは主である』と公に」告白することこそ神様の願いであり、私たちが一致 すべき大目標だと述べてきました。故に、続けてみんなが一緒に高められるように 努めようと次に語られるように思えるのですが、そうではなく「自分の救いを達成 するように努めなさい」と書くのです。これは各自一人一人が自分の信仰の成長に 留意して行くようにという諭しです。今まで教会全体のことを考えなさいと言って 来たのに、急に個人の信仰を大事にしろと。どうしてでしょうか? 実はここに信仰を考える上で重要な点があります。信仰とはまさに一人一人の問 題であり、個人と神様との関係だからです。誰かに代わってもらうことも出来なけ れば、代わってあげることも出来ません。 キリスト教や聖書、教会との出会いは色々あります。親がクリスチャンだった、 通った幼稚園や学校がキリスト教学校だった、友達に誘われて教会に行った等、で も、どういう出会いであれ、私たちの心の深い所で主と出会うことがなければ信ず る所まで行かないでしょう。信仰は、人はどうであれ自分にとって『イエス・キリ ストは主である』と公に告白することだからです。 更にパウロは続けて「あなたがたの内に働いて、御心のままに望ませ、行わせて おられるのは神である」と教えています。これこそ≪聖霊の働き≫と言い得ること です。私たちの「内に働き」、神様の御思いを感じさせ、行なわせようとさせる力 こそ≪聖霊の働き≫です。本日の礼拝はペンテコステ礼拝です。あの最初に教会に 注がれた聖霊は今でも私たちに注がれ続けていることを信じ、その導きに心を開く 者でありたい! 説教集インデックスへ戻る