3月17日
2019年3月17日

「今日はここまで」
 久保島 理恵 牧師  ダニエル書 12:1-13 ヨハネの黙示録 21:1-4


 ダニエルは終わりの時の幻を示されました。それは厳しい人生を生き、もうすぐ異

教の地で生涯を終えようとしているダニエルへの、神さまの深い憐れみからでありま

しょう。幻は、神さまのご計画がダニエルの死のはるかに越えた終わりの時に確かに

完成し、すべての約束が実現することを示しています。ただそれは人間の理解を超え

ているため、ダニエルもすべてを理解することができませんでした。そして戸惑うダ

ニエルに求められたのは、隠された謎を追求することではなく、自分の残りの日々を

誠実に生きることでした。その先の事柄は神さまの御手の中にあるからです。ですか

ら心を向けるべきなのは、与えられた日々を神の民として忠実に誠実に生きることで

す。

 わたしたちもダニエルのように、その時を待ち望みながら今日を生きる者です。主

を仰ぎつつ今日の困難の中に立ち続けます。しかもわたしたちにははっきりと知らさ

れていることがあります。それは、キリストによってわたしたちの名前が神さまの御

許の命の書に記されており、キリストご自身において実現してくださった、罪の赦し、

身体のよみがえり、永遠の生命が、終わりの時にわたしたちの身に完全に実現すると

いうことです。それゆえ、わたしたちはキリストの十字架と復活を信じます。この出

来事の確かさがわたしたちの救いの確かさです。そしてそれが終末、終わりの時を待

つ根拠です。

 キリストを信じているがゆえに、わたしたちはいつ来るかわからない終末を待つこ

とができます。実際に具体的にどういうことになるのか、その詳細を何ひとつ知らな

くても、その時に希望をおいて待つことができるのです。たとえその時より先にわた

したちの地上の生涯が終わるとしても、神さまを仰ぐことをやめずに生きることがで

きます。どんな闇の深い時代であっても、またどんなに混乱した世の有様の中におか

れても、神さまがもたらしてくださっている希望の光を見ることができます。そして

それは終わりの時まで続いていくのです。だから神さまはわたしたち一人ひとりにお

っしゃいます。「終わりまでお前の道を行き、憩いに入りなさい。時の終わりにあた

り、お前に定められている運命に従って、お前は立ち上がるであろう。」(13節)

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